何かを手に入れ、本当に欲するを知り、そして捨てる。

10年も好きでいた。かなりどっぷりとはまり込んでいた趣味。
ともすれば、自分の中で一番に重きを置いていた趣味。
しかし、そのオタク趣味は、現実逃避の産物だと気づいてしまった。



現実の真実の愛を前にして、色褪せて、
空想理想的な期待、
現実への自信不足、
ここではないどこかを
求める気持ちのはけ愚痴だったのだと気づく。



ただ、後悔も淋しさもない。
負の気持ちで始まった事は、
正の気持ちが芽生えたときに
浄化されて、成就して、
手元からこぼれていくのだと気づいてしまった。



小学生を卒業して中学生になり、
疎遠になる友達がいるように、
その友達のことなぞ、稀にしか思い出せなくなるように。
時期がきて、人生の次のステージに移ったのだ。
水が低きに流れるように、心が転がったのだ。



なぜ人生を賭ける気で入れたのだろう。
たまの思い出になるぐらいのものだとわかっていれば、
もっとはやく、通りすぎてしまいたかった。