順位と階段

この町の中心に、空まで続く階段がある。
それは天国に続くと信じられている。
誰も上までいったことないくせに・・・
みんな上を目指して一段一段上ろうとする。
ほとんど町の全員参加しだした。



人数の拡大と共に目的は徐々に変質してくる。
天国に他の人より近づけたのかどうかが重要になってくる
大して見える景色も変わらないのに、人は争いだした。
一段の差?何番目?追い抜く?
気が遠くなるような些細な違いなのに
みんな順位を上げることに必死。



そんな具合なので
上のほうでも下のほうでも争う声が聞こえてくる



俺は俺だけの俺でありたい。俺の幸せは俺が決める。
競争なんかせずに、不必要な分は分け合えばいい
そんな気持ちでいるくせに、
階段から飛び降りる気もない
その中途半端さで、また1つ順位を落としていく。