泣くための準備はできていた

泣くための準備はできていた。けれど、
自分の逸脱ぶりに込み上げてきたのは哀れだった。
被害者として泣けずに加害者として哀れを抱いた。


悲しみを消すために泣くのではなく
残念な奴と哀れに思い不適格というラベルを貼って
自分で、自分を嘲り罵った。


自分で自分の体や心を否定して捨てた
常識人のフリをした加害者の自分は何者だ?
何になったんだ?他人事なのか?
自分で認められなくなった自分は
誰の意思と責任で動くのだ?




そして意識は途絶えた。眠っていた。