全クリしたゲーム世界に、取り残されるような。

生まれるとき、人生の地図と才能という
贈り物を与えられる。


成長しながら、自分で地図を読み解き
書き加え、持ち物を整えて、歩み進んでいく。


残念なことに、20数年で、
その行く先も持ち物も、枯渇した。
やれることを、すべてやってはいない。
ただ、やれそうなことには、手を出した。


幸せの形は、突き詰めれば自己満足で決まる。
地図の中に、自分勝手に安住の地や楽園を見つける訳だ。
仕事や運動や趣味や女や金や成長や信仰や創造や賞賛や仲間や。


心の思うままに、まず、見えてきた先から、試した
が、どれも駄目だった。自分の心に向いてない。
居場所はここじゃない。


見える範囲に、もう地図に道が残ってない。
十分歩き回った。それでも駄目だった。
一応、手を出した中で、多少はまだやれるものを
ずるずるだらだら続ける選択は残っている。


しかし、その自分を、遥か上から見上げる自分が問いかける。
『それで、どうなるの』
『時間潰しして、もっと有意義なことしないの』
『どうせいつか、やめるなら今でいいでしょ』


勢力的に歩き回ったのは、逆に
心の逃げ場をただ、失くしていっただけだった。
ただ、生き急いだだけだった。
心が無感動に、ただ薄弱と、衰える、心の寿命に直面した。