童貞の夢の蘇生と、女性不信にゆがめられた夢。

死期が近いからか。
サプリでも飲んだからか。
昔すぎる経験が美化され始めたのか。
30代を前に性欲が増す。ただ昂ぶる。



性欲曲線などという胡散臭いグラフはなんのその。、
女性を性的な目で見ようとす。
0代よりも、10代よりも、20代よりも。



現実への作用はさておき、
それはカラッポの頭蓋骨の中の童貞ドリームの扉を再び開く。
男のロマン、性の桃源郷、一人遊びの夢中楼閣。
まぁ、だれしも好きなエロシナリオの1つや2つ・・・。
いやそれは波乱万丈、歴史スペクタクルやもしれん。



痛みを知らぬ無垢な頃の遊びは、
純粋に思うがまま描き続けられた。



今は、徹底的に打ちのめされる所からハジマリ、
それでも好きでいよう、誠実でいんとする自分は
涙をのみつつ、他の誘惑を一切はねつけようとす。
そして、自重自縛で不信でさび付いた扉を
必死で押さえつけて座り込んで泣いている
そんな自分に、最後の一人がくちづけでつぶやく。
「わかってるから。大丈夫。」



その人に顔はない。
その人に声はない。
その人と他にすることはない
あぁ、良かった。これでオシマイだと
救われた気になって終える。
十分に傷ついた今見るのは、そんな夢。
何度も描いてしまう、心の奥に眠る夢。