箱庭

あと1cm指が長かったら、
ギターでももっと上手に弾けたのかもしれないね。
雪が降る日は雪のように。
あと数cmでも背が高ければ、
女性に、もっと自信を持って接しれたのかもしれないね。
上目遣いのキュートな目線を、堪能もできるかのも。



心も、そんなもの。
外に広がるひらけた世界にむかって、あと少し勇気と笑顔があれば、
毎日のアタラシイハジマリを、目覚めを、楽しみにできたかもしれないね。
心の在り方だって、ないものねだりで、
どうしようもなくかえれない自分は自分で。
ずっと同じ場所にありつづける。



閉ざされた自分の箱庭で、
其処には、何年も前から1本の造花が
100均のコップにおざなりにいけてあって、



今日もそれを眺め続ける。