完璧主義が憎く、私を不幸にする

完璧主義の思想で手にするものは、それでうる代償にたらない。
十分な準備で、失敗なくこなし、高いパフォーマンスをみせる。
下準備や常に傷がないよう目指す心で、彼は成長の機会を得る。



しかし、この世に傷ひとつないものなど、ほとんどない。
この世のものは傷ばかりで溢れ、まぁいいかと
見過ごされることで生きながらえている。



自分では関与できない手の届かない範囲の、傷、
既についていて取り返せないどうしようもない、傷、
そういう自分だけではもうどうしようもない、傷。



完全・完璧主義者が、はなから不完全なものに対峙したらどうなるのか、
答えは、なにもできなくなる。
最初から不完全なものなぞ、触りたくないし、触れないし、
触っても、それをどうこねくりまわすかも、
彼の範疇には、まるで持ち合わせがない。
そして慣れないことに緊張して、上手くいかない。



アドリブがきかないという生易しいものではなく、
妥協的、中途半端なゴールへ話を向かわせることができない。
1か0か。上手くはいかないだろうけど、
自分の伝える事はすべて伝えたとはできない。



この世を動かす人と金。完璧主義とは、その対人スキルにおいて
重い枷である。それは、個人で戦い、個人で決着がつく
限られた分野でのみ、彼へのギフトになるものだろう。
ごくごく一般社会に暮らす私は、こんなもの神に与えられたくなかった。