感情の欲

有名人と食事する機会があった。
私ではなく、友人が。
凄いその人と時間を過ごしたからって、
それで何のプラスだと思う反面、
他にも同じような写真を数枚見せられると、
謳歌しているな……と思ってしまう。
ないものねだり。



愛着があるものが好きで、やり始めた事を長く続ける。
逆に、些細なもの、続く見込みのないものは大事にできない。
多くの人と触れ合うことを良しとしない。好きじゃない。



30目前に、ゆるりと下に傾斜しているような
人生の後半を垣間見た気がして、
充実しようと意気込むも、
ただみずほらしく、時代遅れを傍においている。
また、少欲知足をよりどころに、
満足して立ち止まり、立ち止まる事に満足している。
循環と、永遠という安定に憧れる。



ただ、ベーコンの言葉を思い出す。
さわぎたいやつは楽しんで、更にさわぐ能力が増し、
物を書く奴は、己を更に知る。
結局は、人それぞれ、したことが道になり、
その人の決めた先へ進んでいくというだけ。



でも、ねたんでしまうのは、
なんと呼べばよいのだろう。
全く別の道なのに。
何にも交わらない道なのに。



明るい方、笑顔が多い方、賑やかな方、
快の感情の方に心が引き寄せられること、
なんと呼べばいいのだろう。
あぁ、感情の欲か。