昔から百点が怖かった。

昔から百点が怖かった。
ずっと百点でいられるわけもないからね。
だからいつも余力を残して、
余裕なふりして、そこそこでいた。
最期の切り札をとっておけば、安静でいられた。
まだ打つ手はあるって内心で・・・、傷つくのを恐れていた。



でも、結局そこそこじゃ通用しなくて、
なりふり構っていられなくなって、
打てる手も全部打って、磨きまで、努力して
百点どころか、百二十点の自分を作り出した



そして、それでもそれすらも駄目だった。
薄皮をはいだ奥の奥に、
ちょっと気を抜いた瞬間に
簡単にその百二十点は崩れ去るのにね。
心を抉った一瞬の煌きですら、
誰の瞳にもとまらなかったんだ。



本当の自分は30点もなくて。
大幅加点の手ももうなくて。
こんな自分が嫌いで、
こんな自分でも楽しくいられる
友達が大好きで。
彼には幸せになってほしいと思う。